☆春風に誘われて、どこかに出かけたくなる季節です。楽しいおでかけの際は、ぜひコーヒーを携帯用のポットや保温機能のあるマグカップなどに入れてご持参ください。ちょっぴり肌寒い日も、温かなコーヒーがあればほっかほか。何よりも、コーヒーを楽しみながら眺める、はんなりとした春の風景は格別です。さて、あなたならどこに出かけますか？　まずは香り高いコーヒーを楽しみながら、春のおでかけプランを練ってみましょうか。

☆『素敵なあなたに』では、今月からコーヒーの香りとともに楽しむ歴史街道シリーズがスタート！　第一回目は、キョーワズコーヒーの本社と工場がある久御山町に隣接する、京都府宇治市を訪ねます。



☆宇治は古くから風光明美な地として知られ、平安時代には貴族たちが競って別荘を設けたと伝えられています。世界遺産に登録されている平等院も、もとは藤原道長の別荘だったそうです。それを道長の子・頼通が、西方の極楽浄土を具現化した寺院に改めました。中でも、10円硬貨の絵柄でも知られ、左右の長い翼廊を持つ優美な佇まいの鳳凰堂（ほうおうどう）は、池と一体化して浄土庭園と呼ばれる雅やかな風景をつくりだしています。
☆平等院と同じく世界遺産に登録されているのが宇治上神社（うじがみじんじゃ）です。本殿は平安時代後期のもので、現存するわが国最古の神社建築です。また、境内には宇治七名水のひとつ「桐原水（きりはらすい）」が湧き出しています。このほか、さまざまな資料や映像を駆使して、光源氏や源氏物語の「宇治十帖｣の世界を 分かりやすく紹介する「源氏物語ミュージアム」や、豊臣秀吉が茶の湯に使う水を汲ませたと伝えられる「三の間」と呼ばれる張り出しを持った宇治橋なども、ぜひ皆さんに訪れていただきたいおすすめスポットです。

☆一方、グルメ派のあなたなら見逃せないのが普茶料理です。臨済宗、曹洞宗と並んで日本三禅宗のひとつに数えられる黄檗宗に伝わる中国風の精進料理で、肉や魚などは一切使わずに、豆腐や季節の野菜などを油をうまく利用して料理するのが特徴です。宇治にある黄檗宗の大本山、黄檗山萬福寺では宗祖の隠元（いんげん）禅師が中国から伝えた伝統的な普茶料理を味わうことができます。このほか、宇治茶や宇治茶をふんだんに使った茶団子なども、食通には見逃せない逸品。また、平等院を望む朝日山の山麓で作られる朝日焼には、コーヒーカップもたくさんあります。宇治を訪ねた際は、しっくりくる器がないかぜひチェックしてみてください。 ☆キョーワズコーヒーでは現在、地元・宇治をイメージした新しいコーヒーを開発中です。どんな個性を持ったコーヒーが誕生するか、どうぞご期待ください。

☆現在、ユネスコの世界遺産は世界で180カ所以上に上りますが、キューバのサンティアゴ州、グアンタナモ州の丘陵地帯では「コーヒー農園発祥地の景観」が、世界遺産に登録されています。現地には当時の農園の建物などが残り、奴隷による過酷な労働に支えられて、19世紀初頭にコーヒー栽培が本格化していくさまを窺うことができます。また、7〜8mにも成長した樹齢100年以上のコーヒーの樹木を、昔ながらの栽培方法で育てているエチオピア東部のジェルジェルツーのコーヒー農園を、世界最古のコーヒー栽培地として、世界遺産に登録しようという運動も展開されています。